Skinny Lister

スキニー・リスターは09年にロンドンで結成された、レトロでノスタルジックな5人組のフォーク・パンクお祭り集団です。そしてイギリスで最も忙しいと賞されたフェスティバル・バンドでもあります。メンバーは歌うことよりも踊ることの方が多い女性ヴォーカルのローナ・トーマス、足でストンプ・ボックスを踏み鳴らしながらアコースティック・ギターをかき鳴らし歌うダニエル・ヘプティンストールの二人が前面に出て、歌いながら蛇腹を広げるローナの兄マックスウェル・トーマス、同じく歌いながらフラット・マンドリン、テレキャスターを響かせるスリム・ブラック、ハワイからやって来たダブル・ベーシストのマイケル・カミーノが周りを固める非常にシンプルなアコースティック編成。バンドにドラマーはおらず、基本的にはダニエルが踏みならすストンプ・ボックスと、各々が演奏する際に叩く楽器の音、足踏み、ローナのダンスのステップでリズムを取ります。そんな彼らのライブでは、気付けば見ているお客さんも各々のリズムを手拍子や足踏み、そして掛け声で奏で出し、最後には大きな歌の輪と、多くのリズムで満ち溢れます。彼らの音楽性はこのようなお祭り要素だけに留まらず、UKロック~トラッド・シーンにも通ずる美しいバラードも魅力です。主にローナがメインのヴォーカルを担当するこれらの曲は、女性ならではの、か細くウィスパーな歌声を、美しいアルペジオの響きに乗せて風の様に運んで来てくれます。それは英国の老舗NMEによって「まるでリラックスしながら過ごす休日のサウンドトラックの様に、とても美しい音楽だ」とも絶賛されたのでした。13年、マムフォード・アンド・サンズのグラミー賞最優秀アルバム賞受賞をきかっけに、今また注目度が高まる英国フォークを基盤に、アイリッシュ・フォーク、シーシャンティ(海の男たちが港や船上で合唱する歌)、パブソング等々を織り込んだ、スキニー・リスターのスタイルによるアコースティックな合唱曲がメインの音楽性。それは演奏する場所や楽器に制限されること無く、すぐに何処にでも大きな合唱の渦を生み出すことが出来ます。彼らのショウでは、お酒を片手に持った酔っ払いや、陽気に独自のステップを踏むダンサー、力いっぱい拳を握り上げる労働者、ロングスカートを広げて回る貴婦人から肩を組み一緒に歌うパンクスまで、多くの人々がその心地良いリズムとお酒の匂いに誘われて、幸せなダンスフロアを作り上げるのです。多くのフェスティバルを経験してきた強者による、誰も経験したことのない程楽しく、感動的な「祭」をお楽しみ下さい。

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